Triplog

インド「ジャイプルとチャイ」

ジャイプルのチャイ屋

5月の連休が終わったら一息つける時間が取れそうだね。と話していた時期に、自分たちの憶う「チャイ」の確認を兼ねてインドへ行くことを決めました。
インドの道端で飲めるチャイ。お店を出すことを決めてすぐインドへ渡り、ひたすら現地で飲み歩き、聞き歩いて、完成させたチャイですが、オープンから1年と少しが経ったこのタイミングで、再びその味や空気を感じることが必要だと感じていました。
行き先はインド西部の街「ジャイプル」。ピンクシティとも呼ばれるこの街のピンクは、砂漠を持つラージャスターン州に溶け込む インド独特なダイナミックさと、この地域の繊細さが混じる そんな色に感じました。
雨季前の5月は1年でもっとも平均気温が高く、連日40度を超える暑さ。オフシーズンらしく観光客はほとんど見かけませんでした。
2年前オープンに向けチャイの勉強にと訪れた灼熱のバラナシでひたすらに飲み歩いた、あの時の記憶がすぐに蘇りました。
街を散策すると、やはり至るところでチャイの露店を目にします。その形は店舗というより、路肩や建物のちょっとしたスペースでチャイを淹れ、ラフに置かれた椅子あるいは立ちながらチャイを飲むスタイル。足を止めて、バイクやリキシャ(インドの三輪バイク)を止めて、人が集まり一息つく時間。僕らが伝えたい「チャイというカルチャー」 はここジャイプルでもしっかりと感じることができました。 関連記事:「チャイ」というカルチャー
ジャイプルで飲むチャイは、紅茶のコクと生のジンジャーの口当たりが印象的。カレーもそうですが、暑い時こそスパイスの効いた熱々のチャイは身体に元気を与えてくれます。身体にこもった余分な体温を逃し、喧騒な街に疲れた心も優しく癒してくれます。
露店やレストラン以外でも、小さなお店や家族で営む工房などに行くと当たり前にチャイを振舞ってくれます。「冷めると美味しくないから、まずはゆっくりチャイを飲もう。」と、たまたま入った生地屋の店主のその言葉に(チャイ屋として)共感できて、なんだか嬉しく感じました。
ちなみにジャイプルでは昔ながらの素焼きの器にチャイを淹れてくれる露店をほとんど見かけませんでした。(小さな素焼きの器は飲み終えると、地面に叩きつけ割るスタイル。割れた器は雨風で土に還るスーパーエコカップです。)グラスか小さな紙コップ。僕らの行動範囲内にたまたまなかっただけなのか、それとも時代なのか。ほんの数年前までは何処に行っても当たり前に見かけていただけに少し残念でした。6年前初めて訪れたインドで、飲み終えた素焼きの器を持って帰りたいと尋ねると、「お前が割らないとそれを作る人の仕事がひとつなくなってしまう。」と言われたことを思い出しました。時代の変化で少しずつ暮らしが便利になっていく一方でなくなってしまう仕事と伝統。海外から新しいものやサービスがインドにも沢山入ってきているように感じた反面、インドには深く根付いた 決して変わる事のない、日常であり特別な 素敵な文化が沢山あると感じました。その一つが「チャイ」というカルチャーで、チャイの時間のあり方は何処の国にも通用する必要な時間だと思います。

自分たちがお店をオープンして日頃から思っていたことが、随所に感じることができたいい旅でした。
「だからチャイなんだ。」と再確認です。

関連記事:「チャイ」というカルチャー

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教科書でみた景色。

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ぼくらがここを創るまで、ぼくらもここに出会うまでのプロローグを綴っています。

ペルー・マチュピチュ

旅の道中、無知だった僕は、全く知らなかった絶景に出会うことが沢山ありました。
その都度、感動とまだまだ自分が生きている「地球」には、知らない景色が沢山あることを実感し、毎回とてもワクワクしました。

そんな出会いは、旅の醍醐味です。
そして、もう一つ最高な瞬間があります。

教科書でみた景色を目の前にした瞬間です。

小中学生の頃、歴史や地理の授業で初めてみた時は自分がそこに立つとは想像もしていません。
勉強の一貫で知ったその景色に、初めは興味もさほど湧かなかったかもしれません。
でも、いろんなことに挑戦させてくれる家族、学校の面白い先生、社会人になって出会った先輩や人生経験豊富なお客さん、共に切磋琢磨できる友達と過ごす中で、いろんな世界に興味を持って出たこの旅の中で、そんな教科書を目の前にした瞬間は、
「ここまで来たんだな。」と、素直に感じることができる感慨深い最高な瞬間でした。

元々国内さえも、ひとり旅なんてしたことのなかった僕は、何となく海外に行きたくて、
「一度、旅に出たら満足するかな。」そう思い、新卒で迎え入れてくれたお店をやめて旅にでました。
間違っていました。満足するどころか、興味はさらに増し、見たい景色や世界も増える一方です。

大自然の絶景や歴史を感じる遺跡、時代を感じる街並みは勿論、
知らない文化や感覚、時間の流れ。そこに行かないとわからないことは沢山あります。
だから面白い。

今は感動や時間を共有できるパートナーがいます。
旅をしている時間は有限で、誰もがいつでも気軽に行けるものではないかもしれません。
でも、旅をしている時のような特別な時間やワクワクを自分たちなりに表現し、伝えていく為に、
LIFE SPICE SHOPを創りました。

まだまだ、知らないことは沢山あって、興味は無限に広がっていて、日々、頭の中の宇宙を掴もうと奮闘しています。

そんな日常で、僕らは毎日旅をしています。

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チリ・アルゼンチン「パタゴニア」

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ウユニからチリの首都サンティアゴを経由して、バスでチリとアルゼンチンの国境を行ったり来たり。
目指したのはチリとアルゼンチン両国に跨るパタゴニア地方。

日常的に目にしていたアウトドアブランド「Patagonia」のロゴとなった山「フィッツロイ」がこの地にあると知った事が、
この地方を目指したきっかけでした。

見所が多いパタゴニアにはバックパッカーは勿論、休暇を過ごす観光客やクライマー、南極を目指す人など様々な人が集まっていました。
いままでのんびり旅をしていた僕も、ここでは重い荷物を担いでトレッキングやキャンプをしたり普段と違った日々を過ごして。
朝は朝日、夕方の夕日、夜は星空に感動して、
一緒にキャンプをした人たちは今でも大切な人生の先輩たちで、
国籍も言葉も違って、ただ共通点は同じ時期にパタゴニアにいるってだけで、みんなで一緒に飲んで笑ったあの夜は今でも時々思い出すほど楽しくて。
これまでとは少し違った、いい時間を過ごすことができた場所でした。

まだまだ見たい景色を沢山残してきた「パタゴニア地方」と、
パタゴニアを訪れたことでいままで意識をしたこともなかったのに行ってみたいと憧れてしまった「南極」。

いつかまた戻ってきたいと思ってこの地を後にして、もうすぐ6年。
ふと去年(2017年)のアメリカでの皆既日食の思い出に浸りながら、今後の皆既日食スケジュールを調べていると。
2021年「南極」。
あと4年。4年後・・南極。いい目標ができました。

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ボリビア「ウユニ塩湖」

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旅をしている道中、感動の景色に出会ってきた一方で、少し期待はずれだなと感じてしまう景色も正直ありました。
それは景色や場所が良くなかった訳ではなく、気軽に綺麗な写真や映像が簡単に観れてしまう時代が故に
実際の景色を目の前にした時の感動が少し薄れてしまうのかなと思います。情報が手に入りやすい便利な時代ならではの悩みです。

でもどんな綺麗な写真も映像も前評判も、すべて吹き飛ばして感動できる景色も沢山ありました。

そのひとつが「ウユニ塩湖」です。

僕が訪れたのは「雨期」。
広大な塩湖に、波を立てないほど薄く雨が冠水する事で巨大な鏡面となるその景色は「雨期限定」です。
僕は勝手に「雨期」こそがウユニのベストシーズンだと思っていたのですが、お土産の定番ポストカードも、乾期の真っ白な広大な景色が多い印象。
日本人にとってはその鏡面した塩湖に空が写り空の中にいるような「雨期」の景色が定番ですが、
欧米人は、「乾期」の遠近感の掴めない真っ白な不思議な世界を好む人が多いと現地のガイドさんは言っていました。
(海外をフラフラと旅をしながら、こういった感性の違いはとても気になる事の一つでした。
僕にはない発想や、考え方にはいつも魅力を感じます。それを身を以て感じる事ができるのも旅の財産かなと思っています。)

日本でも写真集やCM等の映像作品の中で何度も観て、憧れてきた景色を目の前にして、

百聞は一見に如かず。その意味を身を以て感じることのできました。

360度広がる空。

塩湖の真ん中に塩で造られた一軒の宿があります。
水も電気も通っていない宿。決していい環境ではありませんが、
ここに泊まる事で感じる事のできる特別な1日があります。

何にもないからこそ、全てを感じられる場所。

太陽も月も、風も星も。朝も昼も夜も。地球も宇宙も。
静かで、大きな、その景色の中にいる事で、まさに自分が宇宙の一部である事を感じる事ができました。

太陽が落ちた後の数分間、夜空とは違った宇宙が広がる。

「世界一周をして何処がよかった?」
良く聞かれる質問で、何処も素晴らしかったのと 感性は人それぞれ違うので 答えるのが難しいのですが、
ウユニ塩湖は誰にでもおすすめできる、一見の価値のある最高な場所の一つです。

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憧れの南米大陸。ボリビア「ラパス」。

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モロッコからスペインを経由し、この旅の折り返し「南米大陸」へ上陸しました。
サッカーを始め、色々な所で聞き慣れている名前が多い南米の国々。
世界遺産も多い事から何となく、イメージできるものもありますが具体的なイメージはあまり湧かず。
これまで訪れた国々もそうですが、中でも南米は知らない事が多いまさに未知の大陸でした。

そんな南米大陸最初に降り立った国は、「ボリビア」。
名前自体もあまりピンと来なかったこの国を最初に選んだのには理由がありました。

「ウユニ塩湖」です。

広大な真っ白な塩の大地に、雨期には雨が波を立てないほど薄く冠水することで、巨大な鏡面が出来上がる。そこで観ることのできる絶景。
ネットや写真集で見ていた絶景を確実に捉えるべくこの時期に合わせて南米大陸に入る事を計画していました。

僕が始めに降り立ったのはラパスという街。
なんと標高が4000mほどある世界一標高の高い首都です。

実はラパスに降り立った時、この事を自覚しておらず後々大変な事に・・。

初めての国である事は勿論、大陸も大きく移動した事から今回は事前に宿や目的を絞っていたので、中心地までタクシーで移動する事に。
日本を出発した頃とは違い、少しこなれた感じでタクシーに乗り込み行き先を伝えたのですが・・

ようやく使い慣れてきた英語が一切通じない・・。

南米大陸のほとんどは公用語が「スペイン語」。
基本的に英語を話す人はおらず、全く知らない言語に初めてマレーシアに降り立った頃の自分に逆戻りしてしまいました。

地名を伝える事には何とか成功し、一先ずは目的の宿にたどり着く事ができたものの、この先の旅にかなりの不安を感じました。

幸い宿についてすぐに2人の日本人に出会いました。(しょうごさんとしょうごさん)
2人は明日ウユニに向かう為のバスの予約をしに行く所だと言う事で、見事にそのスケジュールに乗っからせていただく事に。

(言葉の全く通じない状況で、本当に救われました。2人には今でも本当に感謝しています。)

バスの予約を取った後に、2人に案内してもらいラパスで有名な「泥棒市」と「オバプロ」へ。
約束の時間まで少し時間があったので、街の散策と必要なものの買い出しに出かけました。

街はアップダウンが激しく、すぐ息が上がってしまう状況に違和感を感じつつ、いつものように面白いものはないかと街中を歩き周りました。

宿に戻ると丁度約束の時間。すぐに「泥棒市」に向かう事に。

ずらっと並ぶテントには、たくさんの盗品が・・

「泥棒市」は、様々な盗品を堂々と販売しているマーケットのようなところ。
見た目の怪しさほど、中に踏み込むと違和感もなく、普通のマーケットのように盗品が売られている状況は何とも言えない。
旅や登山の為のアウトドアグッツから電気製品、はたまた車まで売られています。日本の三菱やトヨタといった車も販売されていました。
買い物をしている最中も、自分の持ち物には最善の注意をはらわないとすぐに何処かのお店の商品になってしまうとの事で、中々気が抜けない状況です。

ひとしきり買い物を終え、夕方からは「オバプロ」へ。
「オバプロ」は、その名の通りおばちゃんのプロレスです。エンターテイメント性が高く、プロレス初心者でも楽しむ事ができるラパス名物の1つです。

その後の状態から写真はこれのみ・・

そんなオバプロ会場に到着した所から異変は始まりました。
それは、ずっと感じていた違和感がついに姿を現したかのように、

激しい頭痛、寒気、吐き気・・腹痛までもが襲ってきたのです。

もうプロレスどころではなく、ただ踞り流れる冷や汗を拭うことしかできない状況。

「高山病」です。

4000mを超える高地に飛行機で到着した僕は、順応するまでの十分な時間も取らずに動き回り、あげくの果には普段通り煙草まで吸って・・
完全に油断していました。

そこは街であり、人々が生活する場所ではあるものの、良く考えると富士山山頂より高い場所。
そんな場所に飛行機で突然降り立ち、身体が順応する前から普段通りの半日を過ごしては、身体がおかしくなって当然です。

何とか、宿まで帰り着き、横になったものの激しい頭痛と吐き気、はたまた腹痛に教われる夜・・。

明日の朝、「ウユニ」へ向かうバスに、「何としても乗りたい」この一心で、これまでで一番辛い夜を乗り越えるべく闘うのでした。

※ボリビア「ラパス」には、世界一高所のサッカースタジアムがあります。
このスタジアムは、4000mをも越える高所な事からFIFAが国際試合を禁止しているそうです。ブラジルやアルゼンチンを始めとする南米の強豪国でさえ、このスタジアムでは、ボリビアに負けてしまう事もあるのだとか。
それだけ厳しい環境のようです。

そんな場所に一国の首都を築き、生活をしている人々。
辛い一夜ではありましたが、また知らない世界に入り込んだ感覚にワクワクしている自分が、そこにはいました。

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憧れのサハラ砂漠とモロッコ。

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モロッコ。サハラの朝日。

エジプト「ルクソール」から空路で、モロッコ「マラケシュ」へ。

マラケシュは「新市街」と「旧市街」に別れ、
新市街は、近代的な建物も立ち並び想像していた以上に綺麗な都市の印象。
旧市街は城壁に囲まれ、路地が迷路の様に入り組んでいて、モロッコ独特な空気。

僕が滞在したのは旧市街。
入り組んだ路地の独特な雰囲気はとても魅力的でした。

旧市街の路地。

タジン鍋の露店。

色鮮やかな織物や陶器などの民芸品は物欲を駆り立て、
炭火にかけられた露店のタジン鍋は、想像以上に美味しく、
乾燥した空気のモロッコでは、フレッシュジュースやミントティーが爽やかに喉を潤してくれます。

爽やかなフレッシュジュース。

観光地でありながらローカルな空気も感じる事ができる魅力的な町。
イスラム文化独特な造りの建物と民芸や香り、民族衣装を纏った現地の人が行き交う路地は歩いているだけで映画の世界の様な楽しい時間でした。

数日その雰囲気を堪能し、バスでサハラ砂漠を目指し「メルズーガ」へ。
メルズーガは、砂漠の中にある小さな町。

サハラの拠点。メルズーガ。

サハラを目的に観光客も多く本来であれば、数人のグループを作ってサハラ砂漠へ1泊2日ほどのキャンプツアーに行くのですが、
僕が訪れた時はたまたま観光客はおらず、翌朝ガイドと2人でサハラ砂漠キャンプへ行くことに。

ガイドは、ベルベルジンと呼ばれる砂漠の民。
まだ当時17歳という彼はとても気さくで、道中色々な事を教えてくれたり楽しく過ごす事ができました。

先住民である彼は、何もない砂漠の道を迷いなく進んで行きます。
細かい砂がゆえに、僕らが歩く足跡も風が吹くとすぐになくなってしまいます。
僅かにそれぞれが違った砂丘や太陽の位置、夜は星などを目印に進んで行くと教えてくれましたが、動く太陽や星だけで距離間を感じづらいあの環境を迷うことなく進むのは困難なはず。
長くこの地に暮らす彼らには、彼らが自然と感じる事のできる何か指針があるように感じました。

ガイドのベルベルジン。

足跡もすぐ消えてしまう。

砂漠を抜けた先に、黒砂漠と呼ばれる荒野のような土地が現れました。
そこが一夜を過ごすキャンプ地。

この日の寝床。

土造りの小屋の様な家とテント。
そこで暮らしているという彼のお母さんとヤギや鶏たち。
ここでのキャンプはただ空の移り変わりや、風を感じて過ごすとてもシンプルで最高な時間でした。

宿泊先のホストマザー。

彼の友達も合流し、夜は乾燥した砂漠に生えた草を燃やしてキャンプファイヤー。
小屋も見失うほど真っ暗な夜を、ここでも迷うことなくサクサクと歩くガイドとその友達と3人で夜の散歩をしたり。
満天の星空の下で、寝そべって。
そのまま気付くと朝まで寝てしまいました。

夜の散歩とキャンプファイヤー。

朝は、優しく昇る太陽に起こされ紅茶を飲んで。

何もない、何もすることのない。ただその日の移り変わりを感じるだけ。
ツーリストだからこそ、すべき仕事もなければご飯の支度もなく過ごすことのできるとても贅沢な時間です。

太陽が昇りきったお昼頃、またメルズーガに向けて出発しました。
途中でカップルのツーリストとたまたま合流し、ガイドも含め子供のようにはしゃぎながらの変わらずぬ景色に飽きることなく帰路を楽しむ事ができました。

帰路は三頭のラクダで。

今回は一人で、あの景色を感じ感動することができました。
次は誰かと、あの景色と感動を共感できたら。

サハラは一人旅をする中で、誰かと過ごす時間の大切さを改めて感じさせてくれた場所でした。
この場所はいつか必ず戻ってきたい場所の1つになりました。

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憧れのルーツ「エジプト」

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ヨルダンから船で、エジプトへ。
貨物船での入国だったので、同じ船にツーリストの姿もなく、何処に行ったらいいのかも分からない。

近くで荷下ろしの作業をしていた人に、話を聞いてビザを発行してくれる窓口まで案内をしてもらいました。

丁度、お昼時で窓口が開くまで1時間ほど待たないといけないと言うことで、炎天下の中途方に暮れながら時間が過ぎるのをただただ待ちました。

1時間後、無事ビザをゲットし外に出るとバスと、乗り合いタクシーがパラパラと目に入るものの、目的地「カイロ」行きのバスは今日はないとの事・・。
乗り合いタクシーもさすがにカイロまでは行かないと、ことごとく断られてしまい、さてどうしたものか。
(近くの町やツーリストがこの場所から向かうダハブへのバスは数多くあったのですが、カイロ行きはたまたまなのかその日はないとの事。)

周りには港の施設以外の建物も見当たらないこの場所に、泊まれるような所もなさそうなので、必死にタクシーや貨物車両に声をかけカイロまで連れて行ってくれと交渉しました。

ようやく人が集まればカイロまで向かってくれるという乗り合いタクシーを見つけ、乗って待っていろとの事なので、乗り込みました。
バックパックを車の上に積まれてしまったので、もう後には引けない状態。
そのまま4時間程経過・・。一向に人は集まらず、出発する気配もありませんでした。

どんどん空も夕方のオレンジへと変わり、カイロに着く頃には夜になってしまう。
特に宿も決めていなかったので少し不安を感じ始めたその時、5~6人のエジプト人が車内に乗り込んできました。
ようやく満席になった所で、何も言われぬまま車は動き始めました。

港を出ると、当たり一面砂漠。
空は夕方から夜へ移り変わっていき、窓からの景色はとても幻想的でした。
(ここまでの景色や状況は不安な気持ちとぎゅうぎゅう詰めの車内で、写真に1枚も残っていません。今心から残念に思っています。)

ヨルダンのペトラを出発したのが、朝7時頃。
日付が変わる前、ギリギリ23時過ぎに「カイロ」に到着しました。

着いたはいいものの、ここが何処なのか、何処に何があるのかもわからない状態。
ふらふらと彷徨っていると、エジプト人の若者2人組に話掛けられました。
2人はとても親切で、バックパッカー向けの安宿が集まる地域まで案内してくれました。
(しかも、電車の切符まで買ってくれました。本当に救われた。)

チェックインを済ませ、荷物を降ろすとヘトヘトになっていた僕はそのまま就寝。

翌朝目が覚めて、すぐに「ピラミッド」へ向かうことに。

ピラミッドを始めとするエジプトの遺跡は僕が幼い頃、初めて海外に興味を持ったきっかけでした。
小学校3年生の冬。1ヶ月程入院生活を送った事があります。

自由に動く事も制限された1ヶ月間の入院生活の中で、病院内の小さな書店で親に買ってもらった一冊の本に僕は夢中になりました。

「古代エジプト文明の謎」

良くコンビニで見かける、分厚いサブカル本です。
その本は、退屈であったはずの僕の入院生活にワクワクを与えてくれ、初めて海外に行ってみたいと興味を与えてくれました。
この本がきっかけで、あまり勉強に面白さを見出すことのできなかった僕が「歴史」だけは楽しく学ぶ事ができました。

あれから15年程たったこの時、僕はエジプトを訪れピラミッドや王家の谷を自分の目で観て感じる事ができました。

幼い頃憧れた「ピラミッド」

幼い頃憧れた「ピラミッド」


王家の谷。ルクソール郊外。

王家の谷。ルクソール郊外。

観光地であるが故に、思っていたような宇宙のパワーを感じるようなミステリアスな場所ではなかったかもしれません。

でも、自分の足でその地に立ち、自分の目であの日写真を見ながら想像していたものを見ている状況には、
とても感慨深いものがありました。

小さい時から古代文明や遺跡、宇宙に憧れを抱き想像してワクワクしていましたが、
考古学者や宇宙飛行士を憧れはありましたが、不思議と目指そうと思った事はありません。
想像していたのは、いつも憧れの、その場所に立っている自分でした。

本で見た景色。

本で見た景色。

小さい頃に憧れた「エジプト」。意識することなくその地を訪れ、思い出した記憶です。

エジプトには、そんな昔の自分を思い出し「今」に浸る事のできる時間がありました。

憧れを持ち、その場所に立ち、今後どう自分の中で生かすのか。
また1つ、大きな楽しみを抱いた場所でした。

忘れていた、今の自分のルーツの1つを思い出す事がよかったと思います。
過去に憧れた自分が、いつか今の自分になる。そんな幸せな瞬間があることを知ることができました。

がんばろ。

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「ヨルダン」で憶う。

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ヨルダン「アンマン」

ヨルダン「アンマン」

トルコから空路で、中東「ヨルダン」へ。
本当は陸路で、シリアを経てヨルダンを訪れる予定でしたが当時シリア国内では内戦が始まったばかり。国境は封鎖されている状態。
インドで出会った旅人に、
「シリアのパルミラがとても印象的だった。」
という話を聞いていたので、できることなら訪れてみたかったと少し残念に思いつつ、元々臆病な僕は、危険な地域に冒険心で乗り込めるような勢いがあるはずもなく、迷わずアンマン行きの航空券を手配しました。

「次はヨルダンに行くよ。」

日本にいる親や友人と連絡を取る中で次の行き先を告げると
「大丈夫?」や「危なくないの?」と決まって返事が返ってきました。

ここまで色々な場所で出会った旅人の多くは中東の国々をまわってきて人ばかりで、もちろんヨルダンについても色々と話を聞いていたので、
その時の僕には不安は特にありませんでした。
興味を持たないと、日本ではあまり良い情報が入りづらい「中東」の国々。
旅人から得た「すごく良かったよ。」という情報にむしろワクワクしていました。

アンマンの空港に到着して、目星を付けていた宿までバスで向かうことに。

空港のインフォメーションで行きたい地域を伝え、案内されたとおりのバスに乗り込みました。
どこまで行くのかもあまり分かっていなかった僕が少し不安を抱いていると
案の定、だだっ広い駐車場のような所で「終点だよ!」と降ろされてしまいました。

たまたまなのか、他の国では何処に行っても一人くらいはツーリストらしき人を目にしていたのにそこには現地の人ばかり。
みんな良くテレビや写真で観ていたとおり、頭にストールを巻き付け、髭を蓄えて、チラホラ銃を持った人も。

フラフラと彷徨う。

日陰もない、広い広場に数台のバスとタクシー。
ふらふらと彷徨っていると、タクシー運転手に話かけられました。
目星を付けていた宿を伝えると友達が働いているとの事だったので、そのタクシーでアンマンの中心地にある目的地まで連れて行ってもらうことに。

目的の宿に到着し、荷物を降ろし食事がてら散策に。
中心地は車も多く、都会的な雰囲気。
決して大都会ではありませんが、ここが中心地という空気。

アンマンの公園。

アンマンの公園。

過ごしてみると、治安も良いように感じました。

町も比較的綺麗な印象で、人も親切。色んな事を教えてくれました。
これはイスラム教徒なら当たり前の事だから、と親切にしてくれる人。
ヨルダンの(中東の)良いところや、今の状況を話してくれて、実際に訪れて感じた僕に伝えてほしいという人。
でも付け加えるように、一部危ない地域には安易に行ってはいけないよと忠告もされました。

ジャーナリストやカメラマン。今のリアルな中東の状況を他の国に伝えてくれる人々に、ヨルダンの人たちはとても感謝している印象でした。
しかし、一方で危険をおかしてまでその地に向かう人を止めたい。そう思う人もいるようでした。

僕は、たった数週間しかヨルダンに滞在していません。
なので、分からない事だらけです。

でも、僕はここで過ごした短い期間で中東地域への印象はガラッと変わりました。

アンマンから死海へ。
ペトラ遺跡と本当にベタな所にしか行けていません。

死海。塩分濃度が高く、身体がプカプカと浮く。

死海。塩分濃度が高く、身体がプカプカと浮く。

想像以上に広いペトラ。

想像以上に広いペトラ。

ですが、訪れた場所はどこも良く印象的で
更に話を聞いたり、調べると「行きたい!」とワクワクする国や場所が中東地域にはたくさんありました。

当時はその雰囲気を感じてみたい。
という好奇心で、中東「ヨルダン」を訪れました。
なので、スケジュールもタイトになってしまいました。

次はじっくり中東をまわってみたい。
訪れた事で、できた未来への楽しみです。

「ヨルダン」は僕に、実際に訪れて感じないと分からない空気があることを教えてくれました。
これは勿論旅を通して常に感じている事でもあります。
でもここで感じたのは、いつもとは少し違ったことを憶いました。

ペトラ遺跡より。

ペトラ遺跡より。

インターネットやSNS,メディアを通して色々な情報を得られる昨今。
先入観や思い込みのイメージは捨てて、純粋にもっと地球を観て感じたい。
そんな未来への楽しみをお土産にくれた国が僕にとっての「ヨルダン」です。

※ 最終日。この日はこの旅初めての船での国境越えでした。
早朝指定されたバスで港へ向かう予定が、まさかの寝坊・・。

何とかタクシーを捕まえ向かったものの、間に合わず。
見かねたタクシーのおじさんが貨物船のチケットを格安で手配し、朝食をご馳走してくれ、船に持っていけと軽食まで持たせてくれました。

最後の最後まで、いい印象しかないヨルダン。
いつかまた会ってお礼が言いたいと、今でもふと思い出します。

貨物船から。

海の国境越え。

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雪と自然の不思議な世界「カッパドキア」

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この旅、アジアを抜けて訪れた6カ国目が「トルコ」でした。

アジアとヨーロッパにまたがる国「トルコ」。

対岸はアジア側と言われているエリア。

対岸はアジア側と言われているエリア。

はじめに訪れた「イスタンブール」は街中をトラムが走り、歴史と文化、近代が入り交じったとても綺麗な都市でした。

これまで、あまり身近に感じる事のなかったイスラムの文化。
イスタンブールでひと際大きな存在感を放つ「ブルーモスク」は、初めて足を踏み入れたイスラムの寺院でした。
外観の迫力、装飾の美しさ、そして初めて感じたその空気感。
僕のイスラム文化の最初の印象は「美しい」でした。

ブルーモスク。装飾も独特で綺麗。

ブルーモスク。装飾も独特で綺麗。

その独特な装飾や色彩は、キリムや陶器など生活の中にも反映されており、独特な感性がとても魅力的です。
溢れる物欲を抑えながら、いつか買い物をメインにまた訪れたいと思いました。
それは今でも思っています。

3日目の朝。バスで世界遺産「カッパドキア」へ。
トルコといえば。の1つでもある定番の世界遺産。
写真やネットで良く目にしていたその景色に憧れて、一度は訪れたいと思っていた場所の1つでした。

僕が訪れたのは2月。
雪の積もる冬、オフシーズンという事もあり観光客も少なく閑散とした時期。

真っ白な世界と独特な自然の造形。

真っ白な世界と独特な自然の造形。

それは、ある意味最高な時期でした。

真っ白な銀幕の世界に、自然が創りだした不思議な造形。
そしてそこにある生活は、その景色ととけ込むように築かれており、タイムスリップをしたような、映画の中に入り込んだような。
観光客も、すれ違う人もほとんどおらず、完全にその世界に浸る事ができました。

その景色にとけ込む町。

その景色にとけ込む町。

その土地の気候や環境が、たまたまその世界を造ったのかもしれません。
ですがそれは、意図して創られたような不思議な世界。

自然の魅力。

自然の魅力。

旅を続ける中で、太陽や月に魅せられていた僕は完全に「自然の芸術」の虜になりました。

あてもなく、始まったこの旅に目指す指針がはっきりとした場所。
雪景色の中のカッパドキアは、一押しの場所の1つです。

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「ネパール」ヒマラヤを眺めて。

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インド「バラナシ」から陸路で「ネパール」へ。

「ネパール」もまた、東南アジアの国々そしてインドとは違った空気を持つ国です。

どこか、お隣「インド」の空気も感じつつ、人の雰囲気や食事もチベット文化を感じる空気。

カトマンズの街中。

カトマンズの街中。

カトマンズ。ダルバール広場周辺。

カトマンズ。ダルバール広場周辺。

たった数時間のバス移動で違う世界に入り込んだような、この違和感。

これも旅の魅力の一つだと思います。

ネパールといえば。
人それぞれその返答は違うと思いますが、

僕の場合は、「ヒマラヤ」でした。

地球上で最も標高の高い地域のヒマラヤは、ネパールだけでなくパキスタン・インド・ブータン・中国と5つの国にまたがっているのですが、
その頃の僕にとって、「ヒマラヤをのぞむ」といえばネパールでした。
(今回僕は、トレッキングではなく、あくまで眺める事が目的。)

始めに訪れた「ポカラ」はヒマラヤトレッキングに向かうツーリストが多く、その最後の準備を整える。そんな場所でした。
その為アウトドア用品や、寒さの厳しい山岳地帯に住む人たちの知恵の詰まった民芸品や防寒グッツも豊富。

のどかな湖畔に面した町の中心地は疲れを癒したり、過酷なトレックに備え、準備を整えるにはとてもいい環境です。

ポカラのメインストリート。

ポカラのメインストリート。

中心には大きな湖。

中心には大きな湖。

翌日、早朝まだ真っ暗なうちにヒマラヤと朝日がのぞめるサランコットへ向かいました。

真っ暗な細い山道を登り、山頂の展望台に到着。
空気も冷たく、かじかむ手を温めながらゆっくりと地球の動きに意識を集中させるように、太陽を待ちました。

徐々に明るくなるに連れて、目の前に雲海が広がっている事に気付きました。
空の色も徐々に変化し、ゆっくりと、でも力強く太陽が昇ってきます。
それに反応するように目の前の雲海も、その名の通り「海」の様に動いていきます。

朝日と雲海。

朝日と雲海。

朝日特有のピンク色が終わりに差し掛かり、徐々に空が優しい青をのぞかせると、その奥にヒマラヤ山脈の稜線が。

世界一の山脈と太陽系の中心「太陽」。

圧巻の朝でした。

約5日ほどポカラに滞在し、首都カトマンズへ。
この旅でアジア最後の町になったのがカトマンズでした。
買い込んだお土産や不要な荷物を日本へ送ったりと「アジア編」最後の整理と、とりあえず周辺の観光を。

このまま出発の日までゆっくりすることも考えたのですが、どうしても「ヒマラヤと朝日」のショーが忘れられず、
急遽周辺で1番綺麗にヒマラヤがのぞめるというナガルコットに移動することにしました。

バスに揺られ、山道や小さな村を抜けて。
ネパールはバスで移動する間の、景色の移り変わりも魅力の一つです。
自然と共に生きている。自然の中で生活をしているのだなと。
そんな風景を眺める道中は、普段は移動中寝てしまう僕も一睡もすることがありませんでした。

山道を進むバスの車窓から。

山道を進むバスの車窓から。

ナガルコットは小さな食堂と、ゲストハウスがあるだけ。
何があるわけでもないのですが、ヒマラヤがのぞめればそれでいい。そんな人にはおすすめの場所です。
サランコットで眺めた景色とは、また違う。

大地を覆う壁のような稜線。

大地を覆う壁のような稜線。

朝焼けの奥に現れるヒマラヤ山脈。

朝焼けの奥に現れるヒマラヤ山脈。

でもあの独特な、
ヒマラヤと雲海と太陽が作り出す時間に吸い込まれるような感覚は同じく最高でした。

1日の始まりと、地球で、宇宙で生きている事を感じる事のできる時間。

それもまた、何処であっても感じることのできる「旅」です。
朝は毎日やってくるのだから。

こうやって今ブログを書いたり写真を見返す事で、あのときの大切な気持ちをまた思い出す事ができる。

なんか、それもいい「旅」だなと、最近思ってます。

そして次にネパールを訪れた時は、ヒマラヤの地に足を踏み入れその空気を感じたいと、
改めて感じました。

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