LIFE SPICE SHOP
ぼくらがここを創るまで、ぼくらもここに出会うまでのプロローグを綴っています。
クアラルンプールからバスで2時間半。
世界遺産にも登録されているという古都「マラッカ」へ移動しました。
世界遺産に登録されているような場所だとも知らず、
クアラルンプールで泊まったゲストハウスのスタッフに進められるがままに、
またしても何の情報もなくバスのチケットを取り移動が決まりました。
初めてのバス移動に少しビクビクしながらも、大きくキレイなバスターミナルからすんなりバスに乗り込めた事にホッとして爆睡、
そして気付くと目的地「マラッカ」に到着していました。
KLとは違い、少しローカル感を感じるバスターミナルに観光客や帰郷した人でごった返した雰囲気に
ようやく少しバックパッカーとして旅をしていると感じはじめました。
ターミナルからマラッカの中心地までは距離があるようで、どうやって行こうかとフラフラしていると
ゲストハウスの勧誘をしているおじさんに声をかけられました。
英語で勢い良く、「うちにこいよ!」と誘われてしまっては、旅慣れしていない僕のような旅人は断れず。。
中心地まで徒歩圏内との事なので、一先ず今日だけはと少し不安を感じながらも付いて行く事に。
そこから車で10分ほど。ゲストハウスは古民家を改装したちょっとシャレた感じの一軒家。
ドミトリーはなく、個室のみですが値段もそんなに高いとは感じなかったので安心してここを拠点にする事を決めました。
荷物を置いて、とりあえず昼食がてら散策へ。
オランダ・ポルトガル・イギリスの植民地時代の建物がそのまま残っており、キレイな印象の街並。
ですが、マレーシアで有名な観光地だけあって、観光客も多く食べ物もローカルフードからマクドナルドまでなんでも揃っていて
少し思い描いている旅の日常との温度差を何処かに感じながら、この場所の空気感をしっかりと心に刻む為に歩き回りました。
空もそろそろ夕方に差し掛かろうとする頃、通りかかった屋台のおじさんが、
「夕日を観るなら良いところがあるぞ。」
と声をかけてくれました。
マラッカは夕日も有名なようで、僕はおじさんの案内に付いていくことに。
古い大きな建物が点在する丘の上、ちょうど太陽が目線より下に見える時間帯でした。
空は真っ赤に染まり、ゆっくりと太陽が沈むのを、何も考えずに眺めていました。
元々、好きな時間ではありました。
でも本当の意味で、それをゆっくりじっくりと感じる、味わう時間を過ごした事はなかったかもしれません。
太陽は何処にいても感じることができるもので、それがこんなにもキレイなものなのかって、
恥ずかしながら、本気で気付いたのはこの時でした。
「マジックタイム」 本当にそうだなと。
この夕日が、色んなところで最高な時間にのんびりと太陽を感じ、味わいたいという楽しみをくれました。
明日からの大切な楽しみができた。と感謝し、この旅に出て初めてワクワクした瞬間でした。
マジックタイムは今も日常の大切な楽しみの一つです。
その後4日間。この夕日の為だけにマラッカに滞在し、4日後にまた次の土地へ出発しました。
出発前日の夜、気持ちよく出発ができると宿のオーナーにお礼を言い、宿泊費の支払いを。
USドルでも構わないとの事だったので100ドル札を渡し、おつりを持ってくると立ち去ったオーナー。
結局戻ってくることはありませんでした。
つづく。
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